SCA  1997
米国心臓麻酔学会


Shinichi Goto, M.D. (Newsletter No.3) 

米国心臓麻酔学会

今回、私は以前から興味を持っていたSCAのannual meetinqに
初めて参加してきましたのでご報告します。開催地ボルチモア
は古くからの港町ですが、会場であるコンベンションセンター
などの近代的な部分と歴史的雰囲気ががうまく調和しており、
都市再開発がバランス良く行われていることを感じさせました。

本学会は見渡したところ約三千人規模と思われ、ASAよりはだいぶ
小さく、日本麻酔学会と同程度というところでしょうか。日本人は
10名強くらい参加していたと思います。学会はポスタ-セッション
主体だったのですが、何と言ってもワークショップやラウンド・
テーブルティスカッションの充実ぶりに驚かされました。
予約しておいた土曜のワークショッブ(私がとったのは経食道心
エコーの基礎編、学会費と別に200ドル必要)は朝7時頃から約10時間、
みっちりカリキュラムが組んでありました(午後のうち後半郡分は
任意参加)、講師の先生方は、実際に臨床での指導を行っている
ことが感じられる実戦的で懇切丁寧な講義をしてくれ、テキスト
もかなり練られた分かりやすいものであり、200ドル支払った分、
元は取れた気がしました。
ラウンドテーブルディスカッションでは、座長ニ人に参加者10名で、
開心術におけるFast tracking(早期抜管)について、各施設ならびに
各国の事情を話し含いました。フランスの先生は、最新の小侵襲
心臓手術の豊富な経験CABGとMVRを隔ってくれ、チリの先生は術前に
髄控内にモルヒネを注射することで早朝抜管とストレスフリーを
両立させていると話してくれました。カナダの施設からも同様の
ポスタ-発表がありました。日本でも硬膜外麻酔を併用して開心術を
管理しておられる施設もあり、心臓血管麻酔をより広い視野で見つめ
直す貴重な機会が得られた気がしました。

Baltimoreに続く
 


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