アメリカ臨床研修入門


内科研修ガイド
Hitoshi Tomizawa, M.D.

Contents

  1. Introduction
  2. Intern Style
  3. 必須の参考書
  4. 入院患者
  5. インターンの1日
  6. Conference
  7. 恐怖のOnCaIl
  8. インターンの評価

Introduction

現在私は、ニューヨークのマンハッタンにある
BethIsrael Medical Center(Einstein医科大学の関連病院
のひとつ)の内科の研修医をしている。
ここでは内科の―年目の研修医(インターン)とそれ以降
の内科レジデントの実際について私の経験と他の病院に
いる友達からの情報に基づき述ベていく。
卒後―年目の研修医はインタ一ンと呼ぱれるが、これは
日本の研修医とは比較にならない。

まずアメリカのイン夕ーンの方が、臨床の知識が格段に
上である。医学知識はそれほど変わらないが、臨床の現場
で必要とされる知識が豊富である。静注や血ガスなどの
手技から、患者がとっさに胸痛を訴えたときの診断と処置
や薬の投与まで、難無くー人でこなしてしまう。
これは医学部の3年、4年次にほとんど毎日病棟で過ごす
ためである。そしてその忙しさと言ったら、絶対日本では
経験できないほどすさまじいものがある。大学病院や私立
の病院はそれほどでもないが、公立病院(CountyHospital)
などではインタ―ンが第ー線の主力となる。

外科の研修医ほどではないにしろほとんど休みなく、
朝早くから夜まで、自分の十数人の患者をフォローし、
プライベートやサ一ビスのアテンディングと治療方針を検討
したり、看護婦にオ―ダーを出したり、他科にコンサルトを
出したり、ソーシャルワーカーを呼んだりと大変である。
内科の―年目の研修には、精神科、神経科、放射線科、眼科、
麻酔科などの他科の研修医も含まれているが、このー年を
通じて、ほとんどの内科的疾患を経験し、手技を覚えられる
ようになっている。

病棟には大抵2チームが勤務しており、それぞれ1人のアテン
ディングとレジデント、それに2人のインターン、医学生の構成
となっている。
研修22-3年目は、病棟主任的役割をし、インターンや医学生
の教育に当たる。学年が進むに連れぐっと病棟担当の口ーテー
ションが減り時間的に楽になる。
では何をこの期間にするかというと、各専門の科のコンサル
テーションのチームに加わったり、外来専門の月を過ごしたり
するのである。基本的にこの期間は、9時から5時までで週末は
オフというイン夕ーンからすれば考えられないような楽な期間
となる。この期間に将来自分はどの専門科に進むのかを決める
ことになる。

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内科研修ガイド各論に続く


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